診療内容
診療内容
インスリン抵抗性とは、インスリンの働きが十分に発揮されない状態を指します。膵臓の機能が保たれている場合には、それでも血糖値を下げようと血液中にインスリンが溢れた状態となっており、この状態が続くといずれ膵臓が疲れてしまいます。その後、インスリンが出にくくなり、その状態をインスリン分泌低下と言います。
インスリン抵抗性の原因として、最近は遺伝的因子が言われていますが、その他にも肥満や過食、飲酒、運動不足、ストレス、加齢など環境的因子が挙げられています。
糖尿病を発症した際には、すでにインスリンの分泌は低下していることが指摘されています。これ以上膵臓の機能が低下しないよう、インスリン分泌低下させないように2型糖尿病の治療には、食事指導や運動指導など、生活指導を行います。
薬物はあくまで補助的ですが、インスリン分泌が低下している場合には、インスリン治療を用います。
このような症状は、糖尿病の初期には出ないことが多いです。多少血糖値が高くとも、特徴的な症状ではないため、自分では気がつきにくいという性質があります。このような状態で放置すると、静かに進行し血管を蝕むことから、「サイレントキラー」と呼ばれることもあります。健康診断などで「血糖値・HbA1cが高い」、「尿糖が陽性」など病院受診を勧められた方は、できるだけ早めに糖尿病内科に受診をお願いします。早期であれば食事や運動のみで血糖コントロールが良好となる方もいます。
し(神経) | :糖尿病神経障害 | 足のしびれ・痛み、便秘、立ちくらみ、足壊疽 |
め(眼) | :糖尿病網膜症 | 視力低下、失明 |
じ(腎症) | :糖尿病腎症 | 足の浮腫み、人工透析 |
糖尿病の治療の基本は食事療法、運動療法、薬物療法の3つです。合併症の発症、進行を抑えることが目標です。
自分にとってどのような治療が一番良いのかを専門医師、看護師、管理栄養士とともに、決定することをお勧めします。また、糖尿病とともに生きていくうえで大切なことは、治療を中断されないことです。症状がなくても定期的に検査を受け、糖尿病の状態や合併症の有無を把握しておくことが大切です。
甲状腺は、のどにある蝶の形をした臓器です。脳下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)が甲状腺に作用すると、甲状腺ホルモン(T3、T4)を産生します。甲状腺ホルモンは、代謝を促進させる働きがあります。
甲状腺の病気は、甲状腺ホルモンの分泌に異常が起きたり、甲状腺そのものに炎症や腫瘍ができることで起き、比較的若い女性に多くみられる頻度の高い疾患です。日本では、甲状腺疾患の患者さんは500~700万人と推定されています。
免疫異常によって甲状腺を刺激し、甲状腺機能が過剰となるバセドウ病と、免疫異常によって甲状腺の破壊が起こり、甲状腺機能が低下する橋本病が代表的です。甲状腺の炎症としては、細菌感染でおこる急性化膿性甲状腺炎、ウイルス感染が原因とされる亜急性甲状腺炎があり、のどの痛みや腫れ、発熱などの症状が出現します。甲状腺の腫瘍はほとんどが良性で、小さいものは自覚症状がなく、頸部の超音波検査で偶然発見されることが増えています。
甲状腺機能亢進症 : 体温上昇、多汗、動悸、体重減少、手指の震え、食欲亢進、
軟便・下痢など
甲状腺機能低下症 : 倦怠感、浮腫み、体重増加、嗄声(声のかすれ)、徐脈、
便秘、抑うつ状態、眠気など
このように多様な症状が現れますが、いずれも甲状腺疾患に特有な症状ではなく他の疾患でも起こりうるため誤診されやすく、甲状腺疾患は見逃されがちです。このような症状が続いた場合には、お気軽にご相談してください。
血液検査で甲状腺機能や自己抗体の測定、また甲状腺超音波検査で行います。当院では1時間ほどで検査結果が確認できるため、当日より治療を開始できます。また、甲状腺エコーもその場で医師が行うことができます。悪性が疑われる場合には細胞診が必要となるため、すぐに横須賀共済病院耳鼻咽喉科に紹介させていただきます。
バセドウ病、橋本病の治療は薬物療法が中心です。いずれも甲状腺機能を測定みながら薬剤を調整します。
バセドウ病は治療が数年単位と長期間にわたり、橋本病は一生内服を続けなければなりません。3~4日ほど内服を忘れると急激に悪化することがあり、入院に至ることもあります。自己判断で中断することなく内服を継続することが大切です。
バセドウ病の治療薬の副作用は、3ヶ月以内(特に2ヶ月目まで)に起こることが多いので、その間は2週間毎に外来で副作用のチェックが必要です。痒みや発疹、発熱などが出た場合には、早めに受診してください。
症状が落ち着いていない間は、心身に負担のかからないよう激しい運動は控え、十分に休息をとるようにしてください。甲状腺機能が正常に戻ったら、軽い運動から始めて徐々に体を慣らしてください。
バセドウ病の方は、発汗が多くなるため、水分補給を心がけてください。体重減少や下痢など症状がでることもあるので、消化・吸収の良い食事を摂取してください。また喫煙はバセドウ病眼症の発症のきっかけにもなるため、禁煙をお願いします。
橋本病の方は、ヨウ素を過剰に摂取すると甲状腺機能低下を進行することがあります。海藻類の過剰摂取や、イソジンの嗽(うがい)薬は避けてください。
甲状腺以外にも当院では、内分泌疾患の診療を行っております。具体的には、副腎疾患(褐色細胞腫、原発性アルドステロン症、副腎機能低下症など)、副甲状腺疾患、下垂体疾患(ACTH単独欠損症やプロラクチノーマ、SITSHなど)について診断、診察、内服加療を行います。精密検査や、より専門的な治療が必要な場合には、責任をもって連携医療機関にご紹介させて頂きます。